医療コラム
海老名の皮膚科で女性医師を指名できる理由とは?
「皮膚科は女性の先生に診てもらいたい」――受付や診察室で、こうしたご要望をいただくことは少なくありません。顔のニキビやシミ、デリケートな部位の湿疹、妊娠中・授乳中の肌トラブルなど、同性の医師のほうが話しやすいと感じるのは自然なことだと思います。
一方で、「海老名の近くに、しっかり経験を積んだ女性の皮膚科医はいるのだろうか?」と探しあぐねている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしご安心ください。当院には現在、常勤1名・非常勤6名、あわせて7名の女性医師が在籍しています。今回はいつもの病気や治療のお話から少し角度を変えて、なぜ当院に経験豊富な先生方が集まってくださるのかについてご説明します。
目次
皮膚科医は都市部に集まりやすい ― 県央地域の医師事情
専門的な経験を積んだ皮膚科医は、都市部に集まりやすい傾向があります。大学病院や研修施設が多く、学会や勉強会にも参加しやすいこと、そしてお子さんの教育環境を考えて都内や横浜に住まいを構える先生が多いことなど、理由はさまざまです。
神奈川県の資料を見ても、その傾向ははっきりしています。令和4年末時点の人口10万人あたりの医師数は、全国平均の262.1人に対して神奈川県は223.0人で、なんと全国40位にとどまっています。県内でも差があり、国が示す「医師偏在指標」では、海老名市を含む県央地域が187.4、県西地域が177.1と、横浜(260.8)や川崎北部(285.3)を大きく下回っています。
さらに県の報告では、若手医師(専攻医)の採用数の増加は、ほぼ横浜・川崎の地域によるものとされています。これらは医師全体の数字ですが、皮膚科も例外ではなく、この辺りの病院が皮膚科の常勤医を確保するのに相当苦労しているという話を、私も日ごろからよく耳にします。
県央地域は、気をつけていなければ「皮膚科を専門的に診られる医師が足りない、皮膚科の過疎地域」になってしまう――私はそうした危機感をもって、このクリニックを運営しています。
それでも経験豊富な先生方が当院に来てくださる理由
当院の非常勤の先生方の多くは、都内などから毎週、海老名まで通ってくださっています。勤務先をどこでも選べる立場にある先生方が、わざわざ時間をかけて来てくださるのには、理由があると考えています。
理由1 経験に見合った待遇
専門的な知識と経験には、それにふさわしい評価が必要です。当院では非常勤の先生方にも、その価値に見合った待遇をお約束しています。
理由2 診療に集中できる、働きやすい環境
スタッフとの連携や診療の流れを整え、医師が「診ること」そのものに集中できる環境づくりを大切にしています。先生方が気持ちよく働けることは、患者さんへの丁寧な診療にもつながります。
理由3 専門医レベルの「正しい診療」を徹底していること
何より大きいのは、皮膚科専門医として当たり前の、きちんとした診療を徹底していることだと思います。必要な検査を行い、診断をつけてから治療を選ぶ。効果が乏しければ、診断に立ち返って見直す。こうした基本を大切にしているからこそ、勤務先を厳しく選ばれる先生方にも「ここなら自分の診療ができる」と感じていただけているのだと思います。
皮膚科は「見ればわかる」ほど、簡単な診療科ではありません
皮膚科は、内科医や形成外科医など他の診療科の医師が、比較的気軽に掲げることも多い診療科です。しかし実際には、皮膚の病気は非常に種類が多く、見た目がよく似ていても原因も治療もまったく違う、ということがしばしばあります。なんとなくで対応できる診療科ではありません。
実際に、ほかの医療機関で治療を続けてもなかなか良くならず、当院に相談に来られる患者さんが少なくありません。当院が混み合う日が多いのも、そうした方々を含め、多くの方に頼っていただいているからだと受け止めています。お待たせしてしまうことは申し訳なく思いますが、一人ひとりの診断を丁寧に行うことは、当院の大切なポリシーです。
皮膚科で女性医師が求められる理由
皮膚科は「女性の先生に診てほしい」というご希望がとても多い診療科です。その背景には、次のようなお気持ちがあると感じています。
- 顔や体のデリケートな部位を見せることへの抵抗感
- 生理周期やホルモンの変化、妊娠・授乳と肌の関係など、同性だから話しやすいお悩み
- メイクやスキンケアなど、毎日のお手入れについてのご相談
- シミ・くすみ・たるみなど、美容医療についてのご相談
もちろん男性医師も丁寧に対応しますが、「同性の先生のほうが気持ちが楽」という感覚は、受診のハードルを下げるうえでとても大切だと考えています。
当院の女性医師体制 ― ご希望の先生を選んで受診できます
2026年10月現在、当院の女性医師はいずれも皮膚科の診療経験を十分に積んだ先生方です。
- 担当医表で曜日ごとの担当医をご確認いただき、ご希望の先生を選んで受診いただけます。
- 保険診療の皮膚トラブルはもちろん、シミやニキビ跡、エイジングケアなど美容皮膚科のご相談にも対応しています。
- 「どの先生がいいかわからない」という方は、お悩みに合わせて受付でご案内します。
「曜日によって先生が違う」ことについて
これまでに患者様から「担当医師がよく変わる」というご意見をいただくことがありました。継続して同じ医師の診察を希望される患者様にとって、ご不便やご不安を感じることがある点は、私たちも十分に認識しています。
当院では、患者様に安心して診療を受けていただけるよう、経験豊富な先生方にご協力いただきながら、診療体制の充実に努めています。私自身も、より多くの患者様に質の高い医療を提供できるよう、一人ひとりの先生に直接お声がけし、継続的にご勤務いただける環境づくりに取り組んでいます。
また、曜日ごとの担当医師は基本的に決まっているため、同じ医師による診察をご希望の場合は、担当曜日に合わせてご来院いただくことも可能です。診療情報はカルテを通じて医師間で共有し、担当医師が異なる場合でも、これまでの経過を踏まえた診療を心がけています。
今後も、患者様のご意見に耳を傾けながら、安心して通っていただける診療体制を整えてまいります。
まとめ
皮膚科医が都市部に集まりやすいなかでも、当院の診療方針に共感してくださった先生方が、毎週海老名まで通ってくださっています。常勤・非常勤あわせて7名の女性医師から、ご希望の先生を選んで受診していただけます。
肌のお悩みはもちろん、デリケートなご相談や美容のご相談も、どうぞお気軽にお話しください。地域の皆さまが、遠方まで出かけなくても安心して皮膚の相談ができる場所であり続けられるよう、これからもスタッフ一同努めてまいります。
- (参考文献)
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神奈川県「かながわの医師の状況について」(2026年1月9日更新)
神奈川県 健康医療局 医療整備・人材課「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージについて」(神奈川県医療対策協議会 資料、2025年3月13日)
- (執筆者情報)
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小谷 和弘
日本皮膚科学会 皮膚科専門医
厚生労働省指定 麻酔科標榜医
日本内科学会 認定内科医

