医療コラム

湿疹や皮膚炎を治せるレーザー治療をご存知ですか? エキシマレーザーという選択肢について

「レーザー治療」と聞いて、多くの方がまず思い浮かべるのは、シミ取りや毛穴の治療、医療脱毛といった美容系の施術ではないでしょうか。実際、レーザーを使った美容治療は広く知られており、「肌をきれいにするための道具」というイメージを持つ方がほとんどだと思います。

しかし、レーザーの用途はそれだけではありません。頑固な湿疹・皮膚炎、脱毛(円形脱毛症)、肌の色抜け(白斑・白なまず)など、免疫の異常によって引き起こされる皮膚疾患に対して、高い治療効果を発揮するレーザーが存在します。それが「エキシマレーザー」です。

今回は、当院が導入しているエキシマレーザーについて、よく混同される「エキシマライト」との違いも含めて詳しくご説明します。

目次

エキシマレーザーとはどんな治療か

エキシマレーザーは、波長308nmの紫外線を患部に照射する光線治療機器です。この波長の紫外線は、皮膚の免疫反応に関わるリンパ球(T細胞)に直接作用し、炎症を引き起こしている異常な免疫反応を抑え込む効果があります。

対象となる主な疾患は以下のとおりです。

  • 白斑(白なまず):免疫異常によってメラノサイト(色素細胞)が破壊され、肌の色が抜けてしまう疾患
  • 尋常性乾癬:皮膚が慢性的にかさかさ・赤くなり、鱗屑(りんせつ)を伴うことが多い難治性疾患
  • アトピー性皮膚炎:一般的な外用薬ではなかなか改善しない頑固な慢性湿疹
  • 円形脱毛症:免疫反応が自身の毛根を攻撃することで引き起こされる脱毛
  • 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):手のひら・足の裏に水疱や膿疱が繰り返しできる疾患

これらの疾患は、外用薬(塗り薬)を続けても症状が一進一退になりやすく、「何年も治療しているのに治らない」とお悩みの方が多い領域です。エキシマレーザーは、こうした難治性の皮膚疾患に対して、免疫レベルから働きかけることのできる治療法として位置づけられています。

エキシマレーザーとエキシマライトは別物です

ここで、多くの方が混同されている重要な点をお伝えします。「エキシマライト」と「エキシマレーザー」は、どちらも308nmの紫外線を照射する機器ですが、光の性質が根本的に異なります

エキシマライトは広い範囲を均一に照射するのに適していますが、エキシマレーザーは病変部にピンポイントで高いエネルギーを届けることができるため、治療効果に大きな差があります。臨床的にも、エキシマレーザーのほうがエキシマライトより高い改善率が得られるという報告が多くあります。

「エキシマがあります」とご案内しているクリニックでも、エキシマライトとエキシマレーザーでは治療の質がまったく異なります。受診の際は、どちらの機器を使用しているかを必ずご確認されることをおすすめします。

エキシマライトとエキシマレーザーの主な違い

  • 光の種類:エキシマライトは非コヒーレント光(拡散する光)、エキシマレーザーはコヒーレント光(指向性の高いレーザー光)
  • 照射の精度:エキシマライトは広範囲に照射、エキシマレーザーはピンポイントで深部まで到達
  • エネルギー密度:エキシマライトは比較的低い、エキシマレーザーは高出力・高精度

なぜ当院はエキシマレーザーを導入しているのか

エキシマレーザーは非常に有効な治療機器である一方で、導入ハードルが高い現実があります。当院で導入しているエキシマレーザー機器「XTRAC」の購入費用は、エキシマライトの数倍ほどの費用がかかります。しかしながら、エキシマレーザーの保険診療における診療報酬はエキシマライトと同額に設定されており、クリニック側には大きな費用負担のみがかかります。利益を重視すれば、導入を見送る判断も当然です。

それでも当院がエキシマレーザーを導入している理由は、「患者様の治療結果を最優先にする」という当院のポリシーに基づいているからです。機器のコストより、目の前の患者さんにより良い治療を提供できることを重視する——これが当院の考え方です。

なお、神奈川県内でエキシマレーザーを導入しているクリニックは、調べてみると片手に収まる程度しかありません。それほど希少な設備であることを、ぜひ知っておいていただければと思います。

エキシマレーザーは保険診療で受けられる場合があります

エキシマレーザーによる治療は、対象疾患によっては保険診療の範囲内で受けることが可能です。費用の目安は1回あたり1,000円程度(3割負担の場合)です。

高額な美容治療をイメージされる方も多いかもしれませんが、皮膚疾患を対象とした治療については、保険が適用されるケースが少なくありません。まずはお気軽にご相談ください。

エキシマレーザーに副作用はほとんどありません——安全性と出力調整について

「紫外線を当てる」と聞くと、副作用が心配になる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、エキシマレーザーの副作用はほとんどありません。照射後に日焼けと同じような赤みや軽い色素沈着が生じることがありますが、いずれも一時的なものであり、正常な反応の範囲内です。痛みや傷を残すような処置ではなく、塗り薬を塗るように照射するイメージをもっていただくとわかりやすいかと思います。

また、エキシマレーザーは照射の強さ(出力)を細かく調整することができます。肌の状態や病変の深さ、患者さんの感受性に合わせて、担当医が最適なエネルギーに設定します。「あなたにぴったりの強さに調整できます!」——これがエキシマレーザーの大きな強みのひとつです。画一的な照射ではなく、患者さん一人ひとりに合わせた個別対応ができるからこそ、難治性の疾患にも高い効果を発揮します。

まとめ——なかなか治らない皮膚のお悩みがある方へ

「長年、外用薬を続けているけれど、どうしても痒みや皮疹が治まらない」——そうしたお悩みをお持ちの方が、当院でエキシマレーザーを受けて改善されるケースが増えています。白斑や乾癬、アトピー性皮膚炎の難治例、円形脱毛症など、諦めかけていた症状が改善に向かう可能性があります。

当院のエキシマレーザーを調べて、神奈川県全域はもとより、他県から足を運ばれる患者様もいらっしゃいます。

皮膚のことでお困りの方は、まずはお気軽にご相談ください。

より詳しい当院のエキシマレーザー治療についてはこちら

(執筆者情報)

小谷 和弘

日本皮膚科学会 皮膚科専門医

厚生労働省指定 麻酔科標榜医

日本内科学会 認定内科医

皮膚科・小児皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科

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