プラセンタ注射
プラセンタ注射とは
プラセンタ注射とは、ヒトの胎盤から抽出したエキスを皮下もしくは筋肉内へ注入する施術のことをいいます。プラセンタのエキスはアミノ酸やビタミン、ミネラル、酵素などの栄養成分を豊富に含んでおり、細胞の活性化や皮膚の新陳代謝を促すことで、シミやしわの改善、美白効果、アンチエイジング効果などが得られるといわれています。また、ホルモンバランスの正常化や肝機能の強化の効果も期待できるため、更年期障害や肝機能障害などの治療にも用いられています。
プラセンタ注射はこんな方におすすめです
- エイジングケアをしたい方
- 肌のしわ、シミ、くすみを改善したい方
- 生理痛・生理不順に悩まれている方
- 更年期障害でお悩みの方
- 肌荒れや乾燥肌に悩まれている方
- 寝付き・目覚めの悪い方
- 悪酔い・二日酔いにお悩みの方
- 疲れ・肩こり・冷え性にお悩みの方
プラセンタ注射の効果
プラセンタ注射には、主に下記のような効果があります。
美肌効果
プラセンタは細胞の活性化や再生、増殖の作用を持つため、プラセンタ注射を打つことで新しい細胞の生産が促され、全身の機能の低下を補うエイジングケアの効果が期待できます。また、血行を促進する働きもあるため、肌に栄養が行き届くようになり、シミやくすみなどが改善されます。
美白効果
前述したように、プラセンタは細胞分裂を活発にするため、増えたメラニン色素や色素沈着したシミを垢として外に追い出す機能が強化されます。また新陳代謝を促進して、肌の深層にあるメラニン色素や老廃物を血管内で吸収して体外に排出させます。さらに、メラニン色素を作りにくくさせる抗酸化作用もあるため、シミ自体の発生を抑えることもできます。
ホルモンバランスの正常化
プラセンタには乱れたホルモンバランスを整える働きがあるため、ひどい生理痛や生理前後のニキビ、更年期障害の症状を改善する効果が期待できます。
抗炎症作用
プラセンタには抗炎症作用や細胞を修復する働きがあるため、赤ニキビなどの肌の赤みや炎症を抑える効果を持ちます。また、ニキビの元となるアクネ菌への抵抗力を向上させる作用もあるため、新たなニキビができにくくなります。
抗アレルギー作用
プラセンタは免疫機能を調整、回復して、アレルギー反応を抑制するため、プラセンタ注射には花粉症やアトピー性皮膚炎などの症状を軽減する効果が期待できます。
不眠症の改善
プラセンタにはホルモンバランスや自律神経を調整する働きがあるため、プラセンタ注射には寝付きを良くし、熟睡を促す効果が見込めます。
肝機能の強化
プラセンタには、肝細胞増殖因子を活発化させることで、傷んだ肝臓の細胞を修復して再生を促進する効果があると考えられています。また、肝臓に蓄積した脂肪を分解するため、脂肪肝を改善する効果も見込めます。
プラセンタ注射の薬剤
当院ではプラセンタ注射に、メルスモンとラエンネックという薬剤を使用しています。どちらもヒトの胎盤から作られている国産の医薬品です。
メルスモン
メルスモンはもともと、更年期障害や乳汁分泌不全などの治療薬として使用されてきた薬剤です。プラセンタの内分泌や自律神経を調整する作用によって、ほてりやのぼせ、イライラなどの更年期障害の症状を改善する効果が見込めます。更年期障害の症状に悩まれている方やホルモンバランスが乱れている方、シミの改善や皮膚の代謝の促進を希望されている方におすすめです。
ラエンネック
ラエンネックは、肝臓疾患の治療薬として開発された薬剤です。プラセンタの基礎代謝を促す作用や解毒作用によって、肝細胞増殖因子を活性化させ、肝臓の細胞を増やすことで肝機能を改善させます。プラセンタには栄養が豊富で細胞を活性化させる働きがあるため、美容効果も期待できます。
メルスモンとラエンネックの違い
ラエンネックはメルスモンと比べて酸性度が高いため、注射時の痛みが強い傾向にあります。メルスモンは中性に近く、痛み止めの成分も含まれているため、注射時の痛みが少ないです。一方で、ラエンネックのほうがメルスモンよりも1アンプル(2ml)あたりの胎盤含有量が10%ほど多くなっているため、痛みが苦手な方にはメルスモンを、そうでない方にはラエンネックをご提案しています。
プラセンタ注射の頻度
プラセンタ注射による治療を受ける頻度に特に決まりはありませんが、最初の1~2ヵ月の間は、週に1~2回の施術を受け、その後は1~2週間に1回ほどが目安になります。個人差はありますが、通常は3~4回の注射で効果を実感される方が多いです。
プラセンタ注射の費用
メニュー | 1回料金 |
---|---|
プラセンタ注射 1A | 1,000 |
プラセンタ注射 2A | 1,500 |
プラセンタ注射 3A | 2,000 |
注意点・リスク・副作用
- ・注射した箇所が一時的に赤くなることがありますが、ほとんどの場合で当日中に気にならなくなります。
- ・内出血が起こることがあります。2週間ほどで徐々に改善します。
- ・ごく稀にアレルギーが起こることがあります。万が一、強い赤みや腫れが出現した際は早めに医師の診察を受けてください。
- ・治療当日は、長時間の入浴や過度の飲酒、激しい運動は避けてください。
- ・当施術を受けた方は献血ができなくなります。
- (参考文献)
- (監修者情報)
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小谷 和弘
日本皮膚科学会 皮膚科専門医
厚生労働省指定 麻酔科標榜医
日本内科学会 認定内科医