あざ

当院のあざ治療の特長

  • ダーモスコピーなどを用いて正確な診断を行い、治療の方向性についてご相談いただけます。
  • あざのレーザー治療は当院では行っておりませんが、適切な大学病院や総合病院へ紹介します。
  • 紹介のタイミングや治療開始の時期は、年齢に応じて相談の上、最適な時期を提案します。
  • レーザー治療後のフォローアップにも対応しています。継続的なサポートを提供します。

あざとは

あざとは、皮膚の下にある血管や色素細胞の異常が原因で、皮膚の色が変わる状態を指します。子どもの皮膚に突然現れることも多く、親としては心配になることがあるかもしれません。しかし、あざの種類によっては自然に消えるものや、治療によって改善が見込めるものもあります。

あざの色や形、大きさはさまざまで、青、赤、茶色などの色で現れることがあります。原因も様々で、生まれつきのものや、外傷によって生じるものなどが存在します。適切な診断と治療を受けることで、あざの改善が期待できることも多いため、特に子どもの場合は、医師による早めの診察が大切です。

あざの種類

あざにはさまざまな種類があり、色や形、発生する原因によって分類することができます。

青あざ

青あざは、皮膚の下にある血管が傷ついたり、色素細胞が集まったりすることで青っぽく見えるあざです。

蒙古斑

蒙古斑は、主に新生児や乳児に見られる青あざで、腰やお尻などに現れることが多いです。アジア人の子どもに多く見られ、成長とともに自然に消えることが一般的です。特に治療の必要はありませんが、親としては心配になることもあるでしょう。しかし、蒙古斑はほとんどの場合、子どもが成長するにつれて消えるため、あまり心配しすぎる必要はありません。

蒙古斑は通常、腰やお尻に現れますが、まれに背中や腕、脚など、他の部位に現れることもあります。このような場合は「異所性蒙古斑」と呼ばれます。異所性蒙古斑も基本的には成長とともに消えることが多く、特別な治療は不要です。

太田母斑

太田母斑は、顔の片側に青や茶色のあざが現れる状態で、主に目の周りや頬、額などに見られます。生まれつきある場合もあれば、成長してから現れることもあります。蒙古斑とは異なり、自然に消えることはほとんどなく、美容面で気にされる場合には治療が必要です。

外傷性色素沈着

外傷性色素沈着は、打撲やすり傷など外的な力が加わった際に皮膚が青黒く変色する状態です。通常、時間が経つにつれて色が薄くなり、自然に治りますが、打撲の程度によっては色素沈着が残ることもあります。長く残る場合や目立つ場合には、治療を受けることもできます。

赤あざ

赤あざは、皮膚の下にある血管が異常に発達したり、血管の構造に異常があったりすることで、赤みを帯びたあざが現れる状態です。特に乳児に見られることが多く、種類によっては自然に消えるものもあります。

いちご状血管腫(乳児血管腫)

いちご状血管腫は、乳児に見られる赤いあざで、表面が少し盛り上がっていることが特徴です。その名の通り、いちごのような鮮やかな赤色をしていることから、このように呼ばれています。生後すぐに現れることが多く、特に顔や頭、背中など、目立つ場所にできることがあります。

多くの場合、いちご状血管腫は子どもが成長するにつれて自然に消える傾向があり、特別な治療を必要としないこともありますが、あざが大きくなったり、機能に影響を与える場所にできたりする場合は、医師の診察が必要です。

単純性血管腫(毛細血管奇形)

単純性血管腫は、毛細血管が皮膚の表面近くに集まることでできる赤いあざです。一般的には「ポートワイン母斑」とも呼ばれ、見た目が赤ワインをこぼしたように見えることからこのような名前がついていると言われています。このあざは、生まれつきのもので、顔や首など目立つ場所にできることが多いです。

単純性血管腫は自然に消えることはなく、成長にともなって大きくなることもあります。早期に治療を開始することで、あざの目立ち方を軽減できる場合があります。

生中部母斑

生中部母斑は、額や鼻、口の周りなど、顔の中央部分に現れる赤いあざです。「サーモンパッチ」とも呼ばれ、その名の通り、サーモンのような淡いピンク色をしています。赤みの程度は人によって異なりますが、特に幼少期に目立ち、成長とともに薄くなっていくことが一般的です。多くの場合、思春期にはほとんど目立たなくなるため、治療を必要としないことが多いです。

ただし、まれに赤みが強く残る場合や、成長しても消えない場合は、治療で改善が期待できるため、医師に相談することをおすすめします。

茶あざ(扁平母斑)

茶あざは、皮膚に現れる平らな茶色のあざのことで、扁平母斑とも呼ばれます。生まれつきある場合もありますが、子どもが成長するにつれて新たに現れることもあります。茶あざは、大きさや形がさまざまで、体のどの部位にも出現する可能性があります。

扁平母斑自体は健康に悪影響を与えることはありませんが、見た目が気になる場合もあります。自然に消えることは少ないため、あざが目立つ場合や、本人や親が希望する場合には治療します。

その他のあざ

その他にも、子どもに見られるあざにはいくつか種類があります。

表皮母斑

表皮母斑は、皮膚の表面にできるあざで、少し盛り上がっていることが多いです。生まれつき見られることがあり、体の一部に集中してできるのが特徴です。このあざは、子どもが成長するとともに大きくなることもあり、目立つ場合があります。

脂腺母斑

脂腺母斑は、皮膚にある皮脂腺が原因でできるあざで、頭や顔にできることが多いです。黄色っぽい色をしており、こちらも生まれつきのものです。脂腺母斑は、成長すると少し目立つようになったり、まれに腫瘍ができることがあるため、定期的に様子をみることが大切です。

あざの原因

あざができる理由は、皮膚の構造や血管、色素細胞が関係しています。皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」という3つの層から成り立っており、あざはこれらの層に何らかの変化や異常が起きることで現れます。

まず、皮膚の最も外側にある表皮の一部には、メラニンという色素を作る「メラノサイト」という細胞があります。このメラニンが皮膚の色を決めていて、たとえば、メラニンが多いと肌が黒っぽくなり、少ないと白っぽく見えます。通常、メラノサイトは表皮にしか存在しませんが、まれに真皮というもう一つ深い層にメラノサイトが存在することがあります。この場合、メラニンが深いところで作られるため、皮膚が青っぽく見えることがあります。これが青あざの原因です。

また、茶あざや黒あざは、メラニンが皮膚の浅い部分に多く存在するために生じます。メラニンが多いほど、色が濃く見えるため、あざが目立ちやすくなります。

一方、赤あざは血管に関係しています。皮膚の真皮や皮下組織には、血液を運ぶ血管が張り巡らされており、血管が増えたり拡張したりすることで赤あざができます。血管に流れる血液には赤血球が含まれており、この赤血球が持つヘモグロビンという赤い色素によって、皮膚が赤く見えます。特に、赤あざは血管の異常が原因となっており、医療的には「血管腫」と呼ばれることがあります。

あざの治療

あざは種類や大きさによって治療法が異なります。

青あざ

青あざの治療には、ピコレーザーというレーザー機器を使用しています。ピコレーザーは、非常に短い時間でレーザーを皮膚に照射し、メラニン色素にだけ反応してあざを薄くする方法です。レーザーが色素に作用することで、周りの健康な皮膚を傷つけることなく、青あざを改善することができます。ピコレーザーは痛みが少なく、治療後の回復も早いのが特徴です。

青あざが目立つ場所にできた場合、親としては気になってしまうものです。ピコレーザー治療は、安全かつ効果的な方法の一つとして、多くのクリニックで採用されています。治療の回数や期間は、あざの大きさや濃さによって異なるため、まずは気軽に相談してみてください。

赤あざ

当院では、赤あざの治療にジェネシスというレーザー治療機器を用います。ジェネシスは赤みを帯びたあざや毛細血管の異常を改善するためのレーザーで、血管の拡張や増加に働きかけて赤あざを目立たなくします。血管の異常を改善しながら、肌のキメや質感を整える効果も期待できるため、美容面での効果も見込めます。

ジェネシス治療は、痛みが少なく、ダウンタイム(治療後の回復期間)がほとんどないため、日常生活に大きな影響を与えることなく治療を進めることができます。赤あざは、特に顔などの目立つ部位にできやすいため、早めの治療を検討することで、あざの見た目を改善しやすくなります。

茶あざ(扁平母斑)

茶あざの治療にも、青あざと同様にピコレーザーが効果的です。メラニン色素を狙って反応するため、周囲の皮膚を傷つけることなく安全に治療が行えます。茶あざの場合も、治療回数や効果はあざの大きさや濃さに左右されますが、医師と相談しながら進めることで、目立つあざを徐々に改善することが期待できます。

その他のあざ

その他のあざには、手術によって治療するものがあります。

表皮母斑

主に削皮術や切除術といった治療法があります。

削皮術は、あざの表面を少しずつ削る治療法で、特にあざが盛り上がっている場合に効果的です。切除術は、あざ自体を手術で取り除く方法で、比較的広範囲のあざや、将来的に大きくなるリスクがある場合に選択します。

どちらの治療も、成長にともなってあざが目立ってきた場合に検討される方法です。

脂腺母斑

脂腺母斑は腫瘍のリスクをともなうことがあるため、見た目や将来のリスクが気になる場合は、手術による切除を検討します。あざの大きさや位置、成長具合を見ながら適切な時期に切除術によって治療します。

Q&A

あざは紫外線で悪化しますか?

あざによっては、紫外線が色素の沈着を助長することがあります。外出時には日焼け止めを使用し、できるだけ紫外線から守ることが大切です。

あざは痛みをともなうことがありますか?

ほとんどのあざは痛みをともないませんが、外傷によるあざや血管に関わるあざは、まれに痛みを感じることがあります。

あざの治療は保険が適用されますか?

あざの種類や状態によって保険が適用される場合があります。美容目的の治療は保険適用外になることが多いので、事前に確認するようにしましょう。

(参考文献)

小児を対象としたレーザー治療:異所性蒙古斑

(監修者情報)

小谷 和弘

日本皮膚科学会 皮膚科専門医

厚生労働省指定 麻酔科標榜医

日本内科学会 認定内科医

皮膚科・小児皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科

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