医療コラム
皮膚科専門医とはどのような資格か ~皮膚科選びの観点から~
「良いクリニックを選ぶには、何を基準にすればいいのか?」——そう悩まれたことのある方は多いのではないでしょうか。インターネット上には数多くの情報が溢れ、口コミや広告だけでは、本当に信頼できる医師かどうかを判断するのはなかなか難しいものです。
そこで今回は、クリニック選びの一つの重要な指標となる「皮膚科専門医」という資格について、その取得までの道のりや意味するところをわかりやすくご説明します。
目次
皮膚科医に必要な臨床経験
医師は大学を卒業後、まず2年間、初期研修医として内科・外科・救急・麻酔など、さまざまな診療科をローテーションしながら基礎を学びます。
国家試験に合格したとはいえ、実際の医療現場ではまだまだ経験が浅く、いわば“ヒヨコ”の状態です。現場に入りながら、実践を通して徹底的に基礎力を身につけていく大切な期間になります。
3年目以降は、多くの医師が自分の「専門分野」を選び、その領域でトレーニングを積んでいきます。この期間は一般的に5~6年程度となっています。
料理人や美容師など、いわゆる「職人」と呼ばれる仕事でも、一人前になるには最低でも数年の修行が必要とされますが、皮膚科医も同様に、実際の症例を数多く経験することが非常に重要です。多様な疾患や症状に対応できるようになるためには、やはり一定期間の臨床経験が絶対に欠かせません。
皮膚科専門医とは
皮膚科専門医(現:日本専門医機構認定皮膚科専門医、従来:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医)とは、そうしたトレーニングを積んだ医師が、一定の水準に達しているかどうかを評価するための資格です。そして数ある専門医資格の中でも、皮膚科専門医は特に取得が難しいとされています。
その理由として、最低でも3本の論文を医学雑誌に掲載すること、8回以上の学会発表を行うこと、そして専門医試験に合格することが全て求められる点が挙げられます。これらは日常診療と並行して取り組む必要があり、継続的な努力がなければ達成できません。
そのため、皮膚科専門医を取得しているということは、少なくとも専門家としての「一定の基準」をクリアしている目安にはなります。
「皮膚科専門医」=「良い皮膚科医」なのか?
しかしながら、専門医資格を持っている皮膚科医が、必ずしも「良い医師」とは限りません。患者さんとの相性やコミュニケーション能力は個人差がありますし、専門医取得後に勉強を継続するかどうかも人それぞれです。
また、特に美容医療の分野に関しては、専門医の有無とは別に、経験や興味の差によって得意・不得意が大きく分かれる領域でもあります。実際、美容に関する知識や経験が少ない皮膚科専門医も少なくありません。
当院では、皮膚科学の基礎トレーニングをしっかり積んだ皮膚科専門医が常時5名以上在籍しており、さらに形成外科専門医(美容外科や皮膚の手術を専門とする医師)も在籍しています。日々の診療に加え、美容治療に関する知識や経験も共有しながら、勉強会やディスカッションを積極的に行い、より良い治療の提供を目指しています。
個人開業では医師が院長ひとりになる場合が多く、知識や治療方針が旧態化・固定化してしまうケースもありますが、当院では大学病院(東京大学・東京科学大学など)からの研修生・大学院生が非常勤で勤務することも多く、最新の知見や治療情報が常に入ってくる環境を整えています。
皮膚科クリニックを選ぶ際の基準
クリニックを選ぶ際には、派手な広告やキャッチコピーだけで判断するのではなく、その先生がどのようなトレーニングを受けてきた医師なのかをよくリサーチして、ぜひ一つの判断材料にしてみてください。皮膚科専門医の資格の有無は、「良い皮膚科医としての一定の基準を満たしているか」を見極める目安としてとても有効です。
なお、お近くの皮膚科専門医が在籍しているクリニックは下記から検索できます。
皮膚科・美容皮膚科のご相談は、ぜひ海老名皮フ科クリニックにお任せください。
- (参考文献)
- (執筆者情報)
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小谷 和弘
日本皮膚科学会 皮膚科専門医
厚生労働省指定 麻酔科標榜医
日本内科学会 認定内科医

